八幡平市で夏秋期の青ネギの産地化の取り組みが本格化している。同市で九条ネギを生産する合同会社みのり風土が約1億8000万円を投じ、ネギの搬入から出荷までを行う青ネギの出荷貯蔵施設を同市に整備する。施設内には予冷施設が整備され、品質を保持したままでの出荷が可能。2026年2月に完成し同年6月の稼働を予定している。
同施設は456平方メートル(予冷庫110平方メートル)で、収穫した九条ネギを予め冷やし、調整から出荷まで温度管理することで品質を保ったままでの出荷が可能だ。また、九条ネギに特化した設計により調整から出荷までの作業も効率化され、現在の約2倍となる日量400箱(10キロ入)の処理が可能となる。出荷作業の効率化により作付けを拡大し、2年後には2億円の販売を計画している。
九条ネギの栽培は、19年に同社が40アールから試験的に始めた。近年では、温暖化の影響で西日本での夏場の栽培が難しくなり、夏秋期の産地として期待が高まっている。25年度には青ネギ研究会「葱人neginchu(ねぎんちゅ)」を立ち上げ、本年度は同法人を含めた4戸が約15ヘクタールに作付けし、1億円の販売を計画する。
8月20日には八幡平市の佐々木孝弘市長など関係者約20人が出席し、建設予定地で起工式を開いた。
佐々木市長は「地域の新たな品目として生産を拡大していただき、市の特産としていきたい」と期待を述べた。 同社の村上代博信社長は「施設の完成により他産地との差別化を図り、県産の九条ネギを全国に届けていきたい」と意気込む。