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安定経営を目指す

餌やりをする堂屋さん

就農のきっかけ

岩手県の中西部に位置し、岩手山や秋田駒ヶ岳などの山並みが望める雫石町で、父と黒毛和種の繁殖牛38頭(成牛34頭、育成牛4頭)を飼養する一樹さん。父が入院したこときっかけに4年前から実家の和牛繁殖の仕事を本格的に始めた。

堂屋一樹さん

小学生の頃から牛の餌やりなど父の仕事を手伝い、牛の世話をしていた一樹さん。父からは将来は自分の好きなことをやるように言われて育ってきた一樹さんは、家の手伝いをしていたが普通高校に進学した。

「父からも言われていたので、将来は実家を継ごうとは考えていなかったが、心のどこかでは、もしかしたら?という気持ちもあった」と当時を語る。その当時は、繁殖牛15頭の他に乳牛30頭の搾乳、水稲を5ha作付けし、家族は忙しい日々を過ごしていた。

高校を卒業した一樹さんは、繁忙期には実家の農業を手伝えるよう融通がきく会社を選び、田植えや稲刈りなどの繁忙期は仕事を休んで実家の農作業を手伝う生活を送ってきた。

会社の仕事と実家の農業を両立してきた一樹さんだったが、4年前に父が腰を痛めて入院した。その当時は、酪農を辞め水稲の規模を縮小し、和牛繁殖を経営の柱にしていた。

餌の運搬をする堂屋さん

父が動けないため、初めは会社を休み牛の世話をしていたが、1か月後には会社を辞め、実家で和牛繁殖農家としての道を選び、牛と向き合う日々が始まった。

ゼロからのスタート

牛の世話は、子どもの頃から手伝ってきているので抵抗を感じることはなかった一樹さんだが、今までのように客観的に見るのとは違うと感じていた。「専門知識を学校で学んでいないし、今までは手伝いという立場だったので、ゼロからのスタートだと感じた」と話す。

子牛を撫でる堂屋さん

1年目は疑問を持たずに、父から言われた事をこなすことに徹した。しかし、作業には慣れてきた2年目には、それぞれの作業に疑問を持つようになった。「エサの量や発情のタイミング、子牛の体調など、父が何気なくやっていた作業の意味を考えるようになった」と話す。

また、地域の担い手の勉強会にも参加して、同年代の仲間から知識や経験なども吸収している。「同年代なので話しやすく、実家以外のやり方も学べるので参考になる。困った時に助け合える関係でいたい」と話す。

そして、市場や共進会にも足を運び多くの牛を見ることで「牛を見る目」を養っている。子牛を産み、育てて出荷する繁殖農家として、意識の高まりが感じられる。

繁殖農家として生きていく

「市場での価格が自分への評価。頑張りの成果が見える」と話す一樹さん。繁殖農家としてのやりがいを感じながらも、血統の配合や飼養管理などを意識し、誰が見ても良いと言われる牛づくりを目指している。

トラクターに乗り込む堂屋さん

これからは、ニーズに合わせた品質を維持し、牛舎などを効率化して50頭まで規模拡大を視野に入れている。「現在3棟の牛舎を2棟にまとめることで作業の効率化ができる他に生産リスクを減らし、安定経営が可能になる」と話す。

「まだまだ学ぶことが多い」と苦笑いする一樹さんだが、確実に「観察力」「経営力」を身に付けている。また「同じ世代の繋がりを広げていきたい」と話す一樹さん。将来が楽しみな担い手だ。

プロフィール

堂屋一樹さん

堂屋 一樹(どうや かずき)さん

時間があけば子どもたちと出かける一樹さん。「いつかはディズニーランドに連れて行きたい」と話す。

※広報誌「夢郷」2021年2月号掲載時の情報です。掲載情報が変更となっている場合がございます。

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