畑ワサビ生産量日本一の岩泉町で、畑ワサビの花芽である花ワサビの出荷が最盛期を迎えている。花芽はしょうゆ漬けなど加工用の他、生食用として京浜市場などへ出荷される。出荷は5月中旬まで続き、昨年並みの約28トンを見込んでいる。
畑ワサビは春になると花芽が出てくるが、株の生育を阻害するため全て摘み取り、地元では辛味を引き出す調理法で、春の味覚として味わっている。
岩泉町で畑ワサビを生産する林勝美さんは「花ワサビは春の味覚として親しまれ、料亭でも利用されている。旬の時期に味わってほしい」と話す。
地元で「ふすぺ」と呼ばれる調理法では、塩でもんだり湯通しや冷やしたりして花ワサビの細胞を壊し、辛味を引き出す。ワサビ特有の爽快な辛味とシャキシャキ感が楽しめる。 同町の畑ワサビは、約90%を占める山林を活用した重要な産業。1980年代から生産が始まり、現在は日本一の産地へと成長した。畑ワサビは林の中で生育し、6月から10月まで茎や根が練りワサビなどの原料として出荷される。