農のかたち〜私流〜

しっかり手を掛け 目標は日本一

雫石町で、切り花を生産する敬之さん。トルコギキョウを中心にストック、キンギョソウなどを栽培し、年間を通して切花を出荷している。中学生の頃に父から言われた言葉がきっかけとなり花農家の道へ。中でもトルコギキョウに魅力を感じ品質の高いトルコギキョウを生産するため、しっかり手を掛けることを信念に日々花の成長と向き合っている。

父とは違うことを

実家は米や野菜を生産する農家で、3人兄弟の末っ子の敬之さん。将来やりたいことはなかったが、父とは違うことをやりたいとは、ぼんやりと考えていた。中学生の頃、父から「花をやってみない?」と言われたことがあった。当時は気にも留めず、実家が農家だったこともあり盛岡農業高校へ進んだ。シクラメンなどにも触れていたが、花への興味が湧いたわけでもなかった。

栽培されている花

その後、タキイ種苗の専門学校に進み、広く農業についても学んだ。そして、2年目に出会ったトルコギキョウに興味を持つようになった。「その時は種を取るための栽培で、花を咲かせて出荷することは無かったが、手を掛けるほどに良くなることに面白さを感じた」と話し、実家に戻りトルコギキョウをやろうと決めていた。

栽培されている花

卒業後、実家に戻り就農した敬之さん。トルコギキョウをやると決めていたが、畑には父がリンドウを定植していた。「当初は両親を手伝いながらリンドウを任され、2aにトルコギキョウを作付けした」と話す。しかし、リンドウは学んだことがなく分からずに苦戦した。「リンドウは露地栽培で害虫の被害もあり、正直やりたくなかった」と苦笑いをする。一方、トルコギキョウは1年目からうまくできていた。また、需要が年間を通してあるメリットも感じていた。

目指すは日本一

トルコギキョウの栽培をするにあたり、全国の優良農家にも足を運び栽培についての知識も積み上げてきた。大輪で品質の良いトルコギキョウを作ることができていた敬之さんだが、思っていた価格で販売はできていなかった。しかし、JAの担当者が変わったタイミングで、出荷先の市場を変えることになり、価格も以前より高く販売されるようになった。「自分が作るトルコギキョウの価値を見いだしてもらえ感謝している」と話し、自分が作る花への自信にも繋がった。父が用意したリンドウの栽培は諦め、トルコギキョウの作付けを増やし、秋冬期にはキンギョソウやストックなどを栽培した。

現在は栽培を始め10年を越えてきたため、連作障害の対策にも着手している。「普段は見えない土壌の大切さを感じている。昨年から土づくりを学び対応している」と話す。就農当時「3年目がピークで悪くなるんじゃない?」と言われたことが今でも心の片隅にあり、土づくりを学ぶ一つのきっかけとなっていた。

圃場で作業する様子

今年で就農14年目を迎える敬之さん。視察に来た方には聞かれたことはすべて答えている。「包み隠さず話すことで、自分自身の勉強にもなり成長にもつながっている」と話す。多くの人から教わり、技術を自分で築き上げてきたからこそ、足を運んできた人への配慮だと感じられる。

また、「いい仕事をするためには大きな目標を持つことが大事」と話す敬之さんの目標は「日本一のトルコギキョウ」を作ること。これが、就農した頃から変わらない目標だ。そして「トルコギキョウを始めるきっかけや、今もサポートをしてくる父にも感謝している」と笑顔を見せる。

圃場で作業する様子

2aから始めた花農家も、父の協力もあり現在はハウス9棟まで拡大してきました。水害や雪害の経験もあり、ハウスを建てる場所は除雪できるスペースを確保したり、暗渠を入れて水害対策にも余念がありません。

プロフィール

上澤田 敬之

上澤田 敬之 かみさわだ のりゆき さん

忙しくて最近は行けてませんが、旅行好きなので時間を作って行きたいですね。

※広報誌「夢郷」 2026年2月号掲載時の情報です。掲載情報が変更となっている場合がございます。