おいわいのきりたんぽ
平岩 優心
紫波町立赤石小学校3年
「きょうは、きりたんぽを作るよ。」
おばあちゃんのはりきった声が聞こえます。
「やったぁ。ぼくとお父さんは、すみおこしだね。」
毎年新米ができると、ぼくの家では、きりたんぽ作りをします。ぼくとお父さんは、すみおこしをして、きりたんぽをやくじゅんびをします。おばあちゃんは、新米をたいて、たきあがったごはんをつぶして、ぼうにつけたり、くるみをすってあまみそを作ったりします。おばあちゃんの作ったきりたんぽを、みんなでやいて、その上にみそをつけて食べます。今年のみそは、あまくてくるみの味もしっかりしておいしかったので、ぼくは、三本食べました。きりたんぽをやいていると、やきもちのにおいがして、十一月なのにお正月気分になります。
おじいちゃんは、トラクターで田んぼをたがやしたり、なえ作りや田うえをしたり、夕方に田んぼを見回ったりして大切にお米を育てています。くろうして育てたお米を、おいしいきりたんぽにして食べることで、ぼくのお家では、おいわいをしています。どうしてぼくの家できりたんぽを作るのか、おばあちゃんに聞いてみたことがありました。おじいちゃんが秋田の出身で、新しいお米ができると、きりたんぽでおいわいしていたそうです。どこのお家でもやっていると思っていたので、他の家では、あまり作らないと聞いて、とてもおどろきました。
おじいちゃんは、
「よく食ってるな。そんなにうまいか。」
と言って、にこにこしています。
「来年もがんばって作るぞ。」
と言っているようです。ぼくも、もみまきや田うえの手つだいをして、おいしいきりたんぽを食べたいと思います。
もうすぐ、今年の新米が実ります。